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環境・技術・産業の変化に対応する中長期戦略
大邱広域市は、韓国三大都市の一つという地位を取り戻すとともに、50年後の未来を主導するグローバル都市への飛躍を目指し、50年後の未来ビジョンに向けた戦略やアジェンダ、中長期なロードマップや未来像などが盛り込まれた発展戦略を策定した。
その策定に向け、昨年1月から研究部門の活動を開始、大邱政策研究院のほか、空港や交通、環境、文化など各分野の専門家へのインタビューや諮問会議などを通じ、未来の社会環境の変化を予測、現実性のある様々な意見を取りまとめた。
特に、大邱慶北新空港の建設や軍威郡の編入による大邱の潜在力のほか、UAM(Urban Air Mobility)やABBグループ、半導体といった新たな成長動力を基盤に、経済のグローバル化やAI(人工知能)技術の発展といった未来のメガトレンドを反映させ、社会環境と産業変化への対応を目指す。
そうして、「50年後の未来を主導するグローバル都市」というビジョンとともに、7つの未来像と22の中長期発展戦略・実行課題を提示した。
(未来像1)新空港を基盤としたグローバル・エアシティ
新空港と航空産業は経済発展を担う中核的な原動力として、▲新空港を基盤としたグローバルな経済ハブ ▲24時間眠らない中南部圏の航空経済ベルト ▲空路で自由に移動できるスカイハイウェイ ▲付加価値の高い航空・宇宙産業のエコシステム構築戦略により、大邱を中心にグローバル都市と超広域経済圏を形成し、新たな成長動力の確保を目指す。
(未来像2)未来のモビリティ立体都市
未来の新しい交通手段は都市生活全般を革新させることが予測されるため、未来のモビリティ立体都市の実現に向け、▲カスタマイズ型モビリティ・システムの構築 ▲交通事故のない、ひと中心の交通環境の整備 ▲自動走行物流ネットワークの構築を目指す。
(未来像3)夢が叶う若者の街
未来の新産業を中心とした経済力の強化に向けては、何よりも積極的な人材の誘致が重要で、▲カスタマイズ型公共インフラと企業間の資源共有に向けた「Open Innovation2.0エコシステム」の構築 ▲グローバル人材の定住要件の作成 ▲大邱メインネット基盤の「K-ブロックチェーン金融プラットフォーム」の構築といった戦略により、若者が住みたくなる街づくりを目指す。
(未来像4)日々便利で快適に暮らせる「ABBシティ」
人工知能やブロックチェーンといった革新技術による未来都市の実現に向け、▲ABB革新ビリッジの形成 ▲デジタル・ツインシティ「D-City」の推進 ▲データセキュリティ・システムの構築といった戦略を提示し、市民生活の質の向上に寄与する。
(未来像5)持続可能な資源自給自足都市
世界が直面する問題である気候変動や都市化、資源枯渇といった環境汚染や資源危機に備え、▲無限に利用できる「Green Energy」環境 ▲ウォーターネットワーク基盤の「Green Water」環境 ▲食料を自給自足する「Green Food」環境の整備により、将来への対応を目指す。
(未来像6)生活満足度の高い活力溢れる街
未来の産業・技術や人口構造といった定住要件の変化や高齢化といった地域活力の低下に備え、▲企業と連携した大邱型未来雇用セーフティネットの構築 ▲ライフサイクルに沿った健康管理システム「大邱ケア」の導入 ▲地理的限界を超えるグローバル・メタバーシティの実現といった戦略により、誰もが住みたくなる都市基盤づくりを目指す。
(未来像7)グローバルな魅力にあふれたクリエイティブ都市
大邱ならではの特色と魅力に溢れる街づくりに向け、▲自然・環境と共存する「E-Co-Live」環境 ▲産業と観光が融合した「D-Techトラベル」 ▲グローバルと交感する「グローバルK-Cultureユニバース」の形成といった戦略により、自然と文化、それに技術が融合した新たな経験価値の提供を目指す。
50年後の未来ビジョンに向けた戦略は、産業や環境、文化などを包括する大邱広域市の政策ビジョンであり、都市基本計画や環境計画など、市が策定する基本計画と政策の方向性を提示し、一貫した方針で推進するためのガイドラインでもある。
ホン・ジュンピョ大邱広域市長は、「大邱市が有する強みと潜在力を活かしつつ、策定された未来ビジョンに向けた発展戦略を市の主要政策に積極的に反映させ、今後予測される変化に対応し、50年後の繁栄に向けて取り組んでいきたい」と話す。