琴湖江ルネサンス時代を開き、「グローバル内陸河川都市」に生まれ変わる大邱
大邱市は、都心を流れる琴湖江を市民ファーストの河川にすべく、「琴湖江ルネサンス」マスタープランを策定した。
これは、①開かれた琴湖江 ②活気溢れる琴湖江 ③持続可能な琴湖江の3大スローガンと30余りの実行計画を通じ、市民の福祉向上を図り、地域経済を活性化させ、気候変動に強いグローバル内陸河川都市を建設しようというものである。
東村遊園地河川整備

① 開かれた琴湖江を活用した市民の福祉向上
琴湖江100里の水路、風の道、人の道をつなぎ、アクセス改善を図るとともに、琴湖江沿いを大邱市民のアーバン・バルコニー(Urban Balcony)とし、市民の福祉向上を実現しようという計画である。
〈実行計画〉
- 100里をつなぐ:人の道(散策路、並木道、自転車レーン、川沿いの道路)、風の道(新川、琴湖江)、水路(K2軍空港跡地と水路の連携、可動堰の設置)
- 市民福祉:アーバン・バルコニー(多目的広場、市民公園、野生花庭園の設置)
② 活気あふれる琴湖江を活用した地域経済活性化
水上・水辺のレジャー空間の造成と365日イベント開催により、地域経済活性化に寄与する。
〈実行計画〉
- レジャー・スポーツ:オールシーズン型水遊び場、水上レジャー、サンドビーチ、電動ボート、パークゴルフ場、キャンプ場
- フェスティバル365:水辺ステージ・バスキング、国際ビーチバレーボール大会、猛暑祭り、チメク(チキン&ビール)フェスティバルの開催
③ 持続可能な琴湖江を活用した気候変動に強い都市
ヒートアイランド現象を緩和させるために、トムルモリ(二水頭)に生態拠点とビオトップ(Biotop)を造成して気候変動に強い琴湖江にするとともに、メタバース基盤を構築、変化する未来も持続可能な琴湖江を築く計画である。
〈実行計画〉
- 環境にやさしい・カーボンニュートラル:トゥムルモリに生態拠点を造成、ビオトープの復元、水中個体、水量確保、水質改善
- メタバース:拡張現実(AR)、スマート街路灯、配達ゾーン・歴史認証スポットの設置、自転車レンタル
3大目標の達成に向け、大邱市は戦略的に実現可能な事業を優先的に発掘・推進することで速やかに琴湖江ルネサンスを推進する一方、国費支援事業を継続的に発掘して市の財政負担を緩和するとともに、連携事業の適切な推進によって琴湖江ルネサンスの完成度を高める計画である。
琴湖江ルネサンスの呼び水の役割を果たす先導事業は、東村遊園地河川整備事業、ジ・アーク文化観光活性化事業、琴湖江国家生態探訪路整備事業である。
- 事業費450億ウォン(国費225億ウォン、私費225億ウォン)を投じて2026年まで行われる東村遊園地河川整備事業は、東村遊園地一帯に生態水路の設置、ビオトープの復元、オールシーズン型水遊び場とサンドビーチの設置が行われ、生態・文化・観光が調和した河川拠点空間に生まれ変わる。
- 事業費300億ウォン(国費150憶ウォン、私費150億ウォン)を投じて2025年まで行われるジ・アーク文化観光活性化事業は、ジ・アーク周辺の文化観光資源(花園遊園地、達城湿地)との連携のために設置される人道橋がランドマークとなり、琴湖江と洛東江の合流部のトゥムルモリという景観スポットの創出と観光活性化に寄与する。
- 事業費60億ウォン(国費30億ウォン、私費30億ウォン)を投じて2024年まで行われる琴湖江国家生態探訪路整備事業は、恵まれた自然環境が保全されている琴湖江の安心圏域(安心湿地、錦江湿地、パルヒョン湿地)をつなぎ、河川の自然環境を破壊することなく市民が生態・歴史・文化資源に気軽に接し、河川の秀麗な自然を観賞しながら安全に探訪できるよう、生態探訪路を整備する計画である。
以上の通り、琴湖江ルネサンスの呼び水の役割を果たす先導事業の推進に向け、2023年度の政府予算(案)のうち約28億ウォンが編成された。先導事業を滞りなく推進するとともに、本事業についても「琴湖ルネサンス」マスタープランの高度化作業を経て最終的に完了させる計画である。
また、琴湖江ルネサンスの完成度を高めるために、内部のタスクフォース(T/F)を特別に構成して事業の具体化に心血を注ぐ一方、外部の専門家からなる4分科の諮問団を構成し、全ての過程において透明性の確保と体系的な流れを維持する方針である。
最後に、クリーンウォーター・ハイウェイ、琴湖江1級河川プロジェクト、琴湖江沿いの道路建設、K2軍空港跡地の開発など、事業推進部署と連携・協力し、市民ファーストの琴湖江ルネサンスを完成させる計画である。